昔ながらの梅干の作り方
梅を購入する
まずは梅を購入します。インターネット通販でも良いし、スーパーでも良いです。とにかく梅がないと進みませんので手に入れます。梅が流通する時期は6月半ばから7月にかけてくらいです。その年の気候によって若干上下します。梅は黄色く熟した完熟梅を購入します。緑色の香りがほとんどない梅は梅酒用の梅ですので梅干には適しません。
梅を追熟させる
購入した梅はあまり重ならないように広げた状態で追熟させます。追熟とは、ただ単に室内で放置したら良いだけです。買ってきたときよりさらに黄色くなって香りが高くなり、柔らかくなってきます。バナナでたとえると黒い斑点が出てきて『やばい・・早く食べないと』と思う位のときだと思います。果肉が自家消費酵素によって柔らかくなってきますので限界かな・・と思うところまで追熟させてください。2〜3日位でしょうか、追熟させればさせるほど出来上がりの梅干しの果肉の芳醇さが増して来ますので、漬け込み中の若干のつぶれを気にしてはいけません。
梅を漬ける下準備
購入した梅の重量の18%の塩を用意します。例えば5キロの梅ですと5000g×0.18=900gの塩です。また、梅干を漬ける広口瓶も用意します。
梅の塩漬け
『やばい・・もう限界や・・』とまで追熟させた梅を広口瓶に入れます。その上へ梅の重さに対して18%の塩をどさっとふりかけます。市販されているにがりを少々入れるのも良いと思います。漬けあがりにあまり関係がありませんが、さらに体に良い梅干が期待できます(^^)
梅の量に対して約2割の重石を乗せる
塩を入れた後は、内蓋をして重石を乗せます。梅の重量の約2割が目安です。5Kgの梅ならば1kg程度です。
※梅酢の上がりが遅い場合は重石の量をふやすなどして調整してください。梅の質によってすぐに梅酢が上がってくる場合と、なかなか上がってこない場合があります。
たまに梅と梅酢を混ぜる
何日かたつと塩の強力な浸透圧によって梅の水分は外に出されるので梅は体積が減って梅酢が出てきます。漬け込みから最初の10日間くらいは毎日広口瓶をゆすったりして梅酢をかき混ぜてください。かき混ぜずに放置すると梅酢に漬かってない部分から産膜酵母が発生してその酵母の膜の上に白かび、アオカビ等が発生します。
カビ?
うまくカビ(産膜酵母)が生えなければそれはそれで良いのですが、たいていは梅酢が白くにごってきます。そのまま放置すると、梅酢の水面に産膜酵母が膜を張って、その上にいろんなカビが発生します。白くにごってきたところで満遍なく毎日瓶をゆすってかき混ぜてください。あまり強くゆすると果肉が破れますのでやさしく混ぜます。白くにごった理由は産膜酵母の増殖です。酵母の一種で全く体に害はありません。かき混ぜながらそのまま1ヶ月間漬け込みを続行します。
梅の天日干
約1ヶ月漬け込みされた梅干しを広口瓶から丁寧に取り出してざるに並べます。産膜酵母が増殖してしまった場合は、気になる人はジャッと一瞬水で洗ってもかまいません。でも一瞬ですよ。そして梅の表面に塩が析出するまで8月の強い天日に干します。大きいサイズの梅ですと3日以上かかります。また、雨などで梅が濡れないようにして下さい。もし濡れてしまったらやはり塩が吹いたようになるまで天日干します。
梅干しの完成
天日干された梅干しは別のガラス瓶、陶器の器などに移して保管してください。100年経っても腐りません。食べたいときに取り出して食べてください。ただ、干し上げたばかりの梅干しは灰汁が強いので青臭さというか独特の味が舌に残ります。半年以上室温で寝かせて、果肉が黄色から薄い茶色になると灰汁が抜けておいしい梅干しになっています。塩分が気になったり、酸っぱくて食べられないという方は水に何時間か漬けておくと、塩分が抜けて、酸味もマイルドになって食べやすくなります。
おわり
以上が昔ながらの梅干しの作り方です。追熟させるところがこの作り方のポイントで、普通につくった梅干しより果肉が柔らかくておいしいはずです。また、皆さんが言うカビは産膜酵母ですので気にせずかき混ぜながら漬け込みを続行して下さい。梅の5%に達するクエン酸濃度、塩分が18%以上、この環境下で生育できる食中毒菌などはいません。産膜酵母だけが何とかがんばって生えてくるのです(^^;)当地方(和歌山)の梅農家さんで、産膜酵母が生えない農家さんは見たことがありません。生えて当然なんです。
減塩梅干しは作り方が複雑で難しくて家庭向きではありませんので省略しています。