第10回
南高梅の収穫(後編)
次の梅林にやってきました。
そこではどっと疲れが出てくるほど南高梅が落ちています。
午前中の作業はここにきて終了、ここで弁当を食べて午後からはこの南高梅達を拾ってやらねばなりません。
昼食タイム(^−^)!!
な・なんと、ローソンで買った弁当は脂っこくてあまり喉を通りません。
「買うときはおいしそうだったのに、今はさっぱりしたものが食べたい!!」
ほとんどご飯とお茶だけ飲んで午後からの仕事となりました。
梅拾いで気をつけなければいけないのが、「イラガ」と呼ばれる毛虫です。南高梅の葉っぱの裏に保護色でくっついているため気づきにくく、ちょっと皮膚が触れただけで焼いた針で刺されるように痛いです。そして刺されたあとは半日くらい服でこすれても飛び上がるほど痛いのです。
おじさんは「わしは首筋からイラガが3匹服の中へ転げ落ちたことあるで!その日は仕事にならんかった!!」と言っていました。
ゾッとします(・-・;
私も一度刺されたことがあるのですが、海でくらげに刺された感じと似ています。
今年は刺されないようにと葉っぱの近くは通らず、南高梅を拾いました。
余談ですが、南高梅は完熟して落下しますと桃のような香りがして食べてもすっぱくありません。クエン酸が配糖体の形で安定しているためなのですが、塩漬けしますとクエン酸が遊離してとても酸っぱくなるのです。
南高梅にはあまり糖分がありませんので鳥や獣(猿、猪)などもねらいにきません。また、水不足にも強いらしく、その点がミカンなどに比べると栽培しやすいらしいです。
まあ、南高梅は和歌山県南部の気候がベストマッチしていて栽培が楽なのかもしれません(^−^)
夕方5時になってやっとその日の収穫作業が終了しました。
まさにクタクタになりました。
この後は大きな樽に収穫した南高梅を入れて南高梅の重量に対して18%の粗塩を放り込み終了です。
この作業はおじさん達がするので私は缶ビールをもらって飲みながら見ているのです。
このときの缶ビール、最高にうまいです(^^)汗で水分が出きっていますからめちゃくちゃうまいです。
紀州梅干の1次加工と呼ばれている原料梅ができるまでの、南高梅の収穫から塩漬けまでの作業でした。
この後、1ヶ月以上塩漬けされた南高梅は8月の天日で干し上げられて私のような2次加工する梅干メーカー(減塩、味付け加工する業者)に引き取られるのです。
この日の私の給料は南高梅40kgです。これをどうするか・・・
そうです!自家製完熟梅酒の原料となるのです。
今年もつくります(^−^)/
そして10月過ぎには販売促進用景品として「紀州梅干・はてなし」を買ってくれた人にプレゼントします。
濃縮タイプですので250mmリットルで梅酒約1リットル分ありますし、市販の梅酒よりも南高梅の配合割合が多いので芳醇な風味が自慢です(^−^)お楽しみに!!
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